2017/12/07 【職人図鑑】Vol.1 内装仕上げの達人「クロス職人」の仕事とは?
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クロス職人ってどんな人?

匠アカデミーが力を入れているプログラムの1つに、「クロス職人の養成」があります。

クロス工事は、内装工事の中でも仕上がりが及ぼす影響は大きく、建築工事全体の
クオリティの良し悪しの印象を決めるといっても過言ではありません。
それだけに、失敗は許されず、優れた技術力が要求される仕事です。

今回は、このクロス職人の仕事や魅力をご紹介するとともに、これからの時代に求められる
職人像や、セカンドキャリアとしての可能性について考えていきたいと思います。

 

クロス職人とは?

建物の骨格が完成すると、いよいよ建物内の仕上げの工程に入ります。
内装工事と呼ばれる、この建築工事の最終工程を担うのが内装工です。

内装工には様々な工程毎の専門領域があり、
例えば、木製や鋼製の骨組みに石膏ボードや合板などの下地をつくる「ボード仕上げ工」、
床にクッションフロアやカーペットなどを敷く「床仕上げ工」などのように分かれます。

その中で、天井や壁に貼られた下地の上に壁紙を貼っていくのが、
「壁装工」すなわち、
クロス職人です

さて、専門領域といっても、その線引きは必ずしも明確ではなく、
多能工として、複数の作業を受け持つ場合もあります。
クロス職人の場合は、壁紙の他に、クッションフロアなどの床材を敷く作業を兼ねることも多く、
その他、建具や家具にダイノックシート(接着剤付きの印刷化粧フィルム)を貼るなど、
表面仕上げを施す作業全般ができる職人という捉え方が一般的です。

クロス職人になるには?

職業訓練校や各種スクールなどで基礎的な技術を学んだのち、内装関連の会社に就職するか、
または、未経験から入社して親方につき、見習いから技術を身につける、というのがクロス職人に
なるまでの一般的な方法です。

ひととおりのクロス貼りの技術は、比較的短期間で習得することが出来ると言われており、
早い人であれば、2,3年で独立することも可能です。
また、業務にあたるために必要な資格は特にありません。

キャリアアップのためや、他の職人との差別化を図る意味において、「表装技能士」という
国家資格を取得する人もいます。
資格取得によって、高い技術力の客観的な証明になり、顧客からの信用につながるため、
工務店によっては資格保持者の在籍を積極的にアピールするところもあります。

 

どんな仕事?

新築工事とリフォーム工事とで作業は異なりますが、主な作業としては、養生、家具の移動、
コンセントプレートなどの部材の取り外し、古い壁紙を剥がす等の準備を行ったうえで、
下地調整、壁紙の糊付け・貼付け、後片付け、という流れになります。

壁紙の選定や調達は、設計者からの指示があったものを用意する場合、施主が選ぶ場合、
選定を任せられる場合等、ケースバイケースです。

 

平均の給料と独立起業

日当の平均は、15,000円~25,000円程度(支払いは通常、日当 or作業分の平米数で計算)。
個人差はありますが、キャリア3年程で、日当20,000円を目指すことも出来ます。

前述のとおり、早い人であれば、2,3年で独立することも可能です。
クロス職人としての独立起業に際しては、初期投資が比較的安価なことも起業を後押しする
材料となっているようです。

 

仕事の魅力は?

基礎や配管などの表に見えない工事と違い、内装工事は最終工程にあたるため、仕上がりが
直接施主の目に触れることになります。
その分、ダイレクトに評価を受けやすく、施主に仕上がりを感謝されることが、何よりのやりがいです。

特にリフォームの場合では、古く暗かった部屋が、壁紙の張り替えによって、
ガラッと明るい印象に生まれかわるので、達成感を味わえる点もこの仕事の醍醐味と言えるでしょう。

また、賃貸物件では、おしゃれな壁紙やアクセントクロスを提案し、その提案によって物件の
バリューアップに貢献することができれば、オーナーから感謝されるとともに、
単に壁紙を張るという作業を超え、住まいづくりの、より深い領域に関わることも出来ます。

大変なことは?

目に見える形で残るという点が仕事の魅力だとすると、その裏返しで、目に見えるからこその
苦労も多くあります。目に見える分、クレームを受けやすい業種と言えるからです。

また、内装が最終工程なこともあり、前工程の遅れのしわ寄せがきて、納期が厳しくなることも
この仕事の宿命的な難点です。

工期のしわ寄せの他、仕上がり具合にも他工程のしわ寄せがくることがあります。
下地ボードなどの取り付けが悪ければ、壁紙の仕上がりに影響が出ます。たとえ別工程が原因の
不具合であっても、最終工程のクロス貼りがクレームを受けてしまうこともあるようです。

他の建築工事と違い、作業が天候に左右されることはほとんどありませんが、
音が出ないからという理由で、作業を深夜に回されるなどという体験も耳にします。

極端に重いものを扱うことはないので、女性が一人で作業することも出来ますが、それでも、
上を向いて天井に壁紙を貼るなど、体力的にキツイ部分があることは、言うまでもありません

 

どんな人が向いている?

🔹手早く丁寧に出来る人…
手先が器用で、細部の仕上がりまで丁寧に気を配れる人が向いています。
且つ、クオリティを下げずに、いかにスピーディに仕上げられるか、がポイントです。
新築の現場では特に、短い納期でいかに量を貼れるかが求められます。

🔹協調性がある人…
現場は他の職人と協力しないと進めていけないので、協調性は必要です。
また、自分の専門分野に精通しており、協働するときに「こうした方がいいのでは?」と、
提案まで出来れば、信頼を獲得し、仕事をスムーズに進めることにつながります。

🔹納期を守れる人…
納期を守ることは絶対条件です。

🔹基本的なマナーを守れる人…
リフォームの場合などは、施主が生活している場での作業になりますから、
そこに入り込む際の最低限の気遣いが出来る人でなければいけません。
また、施主側は女性が対応することが多いことを考えると、工事中のマナーの他、
主婦感覚に共感できる力も大事なスキルと言えます。

 

これらは、クロス職人に限らず、職人として、また社会人として当たり前に求められることと
言えるかもしれません。
こうした基本的な姿勢を身につけたうえで、職人に向いている人というのは、仕事に妥協せず、
期待を上回る仕事をしようとする意欲をもった人ではないでしょうか。

 

では次に、これから求められる職人像について、そしてセカンドキャリアとして考える場合について
考えていきたいと思います。

 

これからの職人に求められるものは?

クロス職人の仕事は、「指示されたクロスを綺麗に納期までに仕上げることまで」という捉え方を
していたのでは、それだけの仕事で終わってしまいます。

例えば、少し思い切って雰囲気を変えてみたいと施主に相談されたとします。
「とりあえず、施工が簡単で安価、デザインも無難なものをお勧めしておこう…。」というような
守りの姿勢で仕事を受けたとしたら、家づくりという壮大なプロジェクトをやり遂げた時の充実感が
得られるでしょうか?また施主の心に残るでしょうか?そして、次の仕事につながるでしょうか?

これからのクロス職人に求められるのは、ずばり“提案力”や“クリエイティビティ”でしょう。

素人には仕上がりをイメージすることが難しい壁紙選びにおいて、説得力のある説明で
イメージを伝え提案する、且つ、施工までこなせるなど、自分の“売り”や“色”を出していくことで
仕事の幅が広がっていきます。
これには、インテリアセンスや空間把握力を養い、常にトレンドをつかんでおくなどの向学心が必要です。

今後は、単価の低い外国人の働き手も増えてくるなかで、単価を下げずに仕事をとっていくことも
必須になります。そのためには、単価で勝負するのではなく、やはり提案力などプラスαの強みを持つ
必要がますます高くなるでしょう。

中高年はインテリガテンを目指そう!

60歳すぎてから、現場でバリバリ若い人に負けない作業量をこなしていく、というのは、
体力的にも当然無理が出てきます。セカンドキャリアでやるとしたら、なおさら壁紙を貼るという作業だけを
こなしていくのではもったいないのではないでしょうか。

例えば、営業をやっていた人なら、そのスキルを生かした仕事の取り方があるでしょう。
技術的なことは、ある程度経験を積めば覚えることはできますが、それもまずは仕事があってこそのこと…。

また、異業種からクロス職人へ転向した人の方が、固定観念にとらわれずに仕事に入り込める、
という見方も出来ます。若い時から、建築の現場しか見てきていない人に比べると、様々なアプローチから、
問題を解決するスキルに長けているかもしれません。
消費者目線で考えられる点も、却って強みとなると言ってよいでしょう。

セカンドキャリアとして、クロス職人を考えるのであれば、前職で得たスキルもフルに活かし、

従来の職人の枠を超えた“インテリガテン”という、新しいジャンルの職人として、

営業・提案ができ、自身で施工もできる、といった現場の監督的な立場を目指すのが、
現実的かつ将来性を見込める、キャリアプランとなるのではないでしょうか。

 

まとめ:クロス職人の将来性

職人はネットワークが大事な世界です。どれだけ自分でネットワークを作れるかが、仕事を左右します。

独自の得意分野でつながり、ネットワークを生かしながら顧客を確保するという、新しい職人のあり方も、
今後増えていく業態として注目されています。

例えば、ハンガーズ(http://paperhangers.jp/)はその代表的なネットワークのひとつです。
こちらは、特殊な壁紙を扱えるクロス職人のネットワークを築くことで、白い壁紙には飽き足りない顧客の
受け皿となっています。
今後も、住まいへの関心が高い層が増え続けていくことは必至です。
よって、自分の好みをはっきり持ち、商品知識も豊富な顧客の受け皿は、ますます必要になってくることでしょう。

大切なのは、自分がどういう感性で、どのような作業が出来るのかを、
いわば“自己プロデュース”し、自分で仕事をつくっていく姿勢
こうした姿勢を持ち続けることが、クロス職人としての将来を切り拓くことにつながるのではないでしょうか。

 

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