リノベーターズインタビュー

TOKYO SPACE DESIGN Lab

赤塚 健太さん(30代)

専門学校を卒業後、コールセンターサービスの会社に入社。電話対応から始まり管理職まで経験。13年間同業界で務めたのち今年2018年3月に退職。 退職後は、不動産管理会社を経営する傍ら、空間デザインの一環として、リノベーション、内装工事、原状回復や家具製作を請け負うTOKYO SPACE DESIGN Labを立ち上げ、自らデザイン、施工を行っている。 もちろん、愛娘の送り迎えや家事などの主夫業も両立。

33歳でおとずれた転機

義理の父が不動産管理会社を経営していたのですが、体調を崩して仕事を続けるのが難しくなったため、私が代わって継ぐことになりました。

これまでずっと共働きで、仕事と子育ての両立が難しかったのですが、私が家業を継ぐことで比較的時間が自由になれば、子供と過ごす時間をつくることができるのではないか、と考えたことも会社を辞めた理由の1つでした。

匠アカデミーのリノベーションコース受講を決意

会社を辞めて少したった頃、独学で対応してきた知識を改め、内装施工の基礎をしっかり勉強してみたいと思い、匠アカデミーで内装の集中講座を受講しました。

専門学校では音楽制作を勉強していたので、音響を含めた空間演出に関心があり、ゆくゆくは、クロス、照明、音楽などをトータルにコーディネートした空間デザインに関わりたいと思っています。
そこで、まずは基礎から学びなおした上で、内装施工から始めてみようと考えました。

匠アカデミーで受講したのは、『プロが教える原状回復&セルフリノベーションコース』で、クロス2回、フロアタイル、クッションフロア各1回の合計4回のコースです。
その他に、空間プロデュース、照明に関するセミナーも受講しました。

内装施工にはもともと興味があって、不動産管理会社の仕事絡みでもクロス貼りや造作棚などは作っていましたし、自宅の収納や照明等の家具もDIYで作っていました。小さい時から実技は得意だったので、“ものづくり”全般が好きだったんでしょうね。匠アカデミーの講座でも、わりと要領よく作業できていたんじゃないかと思います(笑)。

初仕事はクラウドソーシングサイトでGet!

初仕事は今年5月。クラウドソーシングサイトでコンペ形式の募集が出ていた店舗リフォームの仕事です。見積もりのやりとりをしたのち、価格や提案内容が決め手となって受注を勝ち取りました。

フリーランス=クラウドソーシングというイメージがあったので、サイトをのぞいてみたところ、「インテリア・内装」の項目がしっかり存在していたので、仕事自体は比較的見つけやすかったですね。特に3〜4月は内装関係の募集が多いように感じました。

他にも、不動産サイトに紐づく各種リフォームサイトや、地域型密着型の出張・訪問サービス系のサイト、利用者と工事業者を結びつけるマッチングサイト等を利用しました。本職の職人じゃなかったからこそ、こうした仕事の取り方を思いついたのかもしれないです。この時点では職人さんとの付き合いもないので、仕事を回してもらう、ということ自体出来ないですからね。

最近、建設業に特化したこの種のマッチングサイトはどんどん増えてきていますし、サイト使用者層やニーズの変化に対応する等、積極的にアップデートしているようです。現に、仕事のやり取りをしていたマッチングサイト、株式会社ローカルワークス(http://localworks.co.jp/)様と話す機会があり、使用者としての意見や要望をやり取りした結果、意見を参考にしていただいた新規サービス(元請業者と下請業者のマッチングアプリ)をリリースしてくださったケースもありました。
サービス名:LocalWorksサーチ(https://localworks.jp/search/safety_and_offer/

こうしたサービスやポータルサイトの一部には、中規模法人化や各種資格の提示、法人銀行口座の開設等、いくつかの条件を満たす必要がありますが、登録自体は簡単に出来るようになっているところがほとんどです。

利用者と工事業者とのマッチング自体は社会的な需要があると思いますが、何と言っても建築業界自体が閉鎖的なので、ネット上での仕事の受発注についても同様に慎重です。ですから、まだまだこれから、という段階ではないかという印象です。

他業種での仕事経験が生きた

前職のコールセンター管理業務では、次年度の契約を継続するための提案営業などを経験しましたし、拠点長も任されてきました。ですから、そういった営業や管理職の経験は、今の仕事にも生かされていると思います。特に、内装工事はまず見積もりが入り口なので、営業経験がある人、電話や対面でのコミュニケーションが得意な人には向いていると思います。

プロの洗礼を受ける!初仕事での課題と反省…

さて、受注には無事成功した初仕事でしたが、実は完了させるまでにはかなりの苦労と試行錯誤がありました。

メインのクロス貼りや床のフロアタイル工事は問題なかったのですが、ペンキ塗装工事の工程で課題にぶつかりました。

事前の色合わせや塗装の直後には、お客様と相互確認の上で問題はなかったものの、塗装が乾いた後の発色がイメージと違っていた(薄かった)ことから、修正により当初3,4日の予定だった工期が10日くらいに延びてしまいました。荷物や塗装を依頼された什器などを持ち帰ったものの、量が多く、かつサイズが大きすぎて外で塗ったり……と、時間も経費も想定外にかかってしまいました。

完工直後は「もうペンキはやらない!」なんて思っていましたが、ペンキの銘柄や色の種類、塗装道具に対する知見が高まったこと、天候による塗装への影響等、技術的に得られたことも多く、リベンジに燃えています。(笑)

今思えば、もっと施工最中に相互確認の時間をとりつつ、塗装直後の相互確認時間を長く設ければ良かったと反省しております。初仕事なのでどこかで甘さを体感し凹むんだろうなあ、とは思っていましたが…。凹むだけでなく、今後同じような課題や問題が発生しないよう対策も一緒に得られた現場でした。

モットーは、クライアント様の真の目的を探り出すこと

仕事で大事にしていることは、依頼された仕事の背景にある、真の目的は何かを掘り下げて考えるようにすることです。

最初に受けた仕事を例にすると、従業員用トイレの壁・床の貼り替えは、従業員が日々快適に使用できて、彼らの満足度をあげることが求められていると感じたので、使用する方々の好みを聞いたうえで、色や柄の提案をしていきました。個人的には壁紙や床材の見本帳を皆さんと見ながら、アレがいいコレもいい!みたいな話をする時間は楽しくて大好きですし、どの現場でも毎度盛り上がりますね。

また、塗装についても、当初は店内什器の塗装依頼だけでしたが、店舗の顔であるエントランスにあったウッドデッキの塗装の劣化や剥げをご指摘し、併せて塗装を行ってみてはどうかと、こちらから提案したところ、ご快諾いただけました。
 クライアント様自身も気づいていなかったような問題点を見つけ出し、より突っ込んだ提案をすることで、さらなるご満足を得られると考えています。

とにかく始めてみるのもアリ!

本職の職人さんと一緒に現場に入ると、仕事を間近で見ることができるので、学ぶことが多いですね。当然、まだまだ勉強は必要だと痛感するのですが、一方で、私の場合はともかくまず始めてみたのが良かったんじゃないかと思っています。

自分に全てが任されている状況に追い込むことで、どうやって事態に対処していけば良いのかを真剣に考えることにつながりますから。

自分一人で責任を負うことが怖いなら、人について(弟子入りして)勉強する方がいいかもしれないですが、私の場合は、異業種から入ったので人脈もなく、弟子入りできる環境になかったということもあり、とにかく自分ひとりでスタートすることにしました。

今のところ、内装の仕事は大成功とまではいかないけれど、順調とは言えるかなと思っています。どんな現場でどんな工事でも毎回得るものがあり、得たものを次に活かしてみたい、と次に向けての意欲も沸くので、まだまだ、もっとやれそうだ、という手応えも感じています。
ちなみに、私自身がここに至るまでに特別優れたスキルや営業力を用いた、とは思っていません。匠アカデミーのような優れた教育サービスを利用し、様々な技術をプロから教わることで、どなたでもある程度現場で戦える技は身につけられるとは思います。世の親方の皆様からは怒られそうな言い方をしましたが(笑)、実際に私が現場で曲がりなりにもやれている、ということは、匠アカデミーの教育内容が優れていることの証明にもなりますよね。

今を生きる。10年先はノープラン︎

まだ30代前半なので、人生100年とすればこの先70年生きるかもしれないけれど、正直に言うと、そんなに先々まで見据えて仕事を選んでいるわけではないんです。
今の自分や家族の生活にあった働き方と、今やりたいこと、先々起こり得ることに対して都合のいい仕事を選んでいる感じです。

最近は、「5 〜10年先のビジョンを」と、考える会社は逆に柔軟性がないと言われ始めているようですね。

13年間務めてきたコールセンターの仕事も、好きとか楽しいというよりは、生活の基盤づくりとして割り切って考えていましたね。その会社勤めを辞めた今、もちろん色々な大変な部分もありますが、前よりも仕事を楽しめていると思います。

今は主に自分が子供の送り迎えを担当しているのですが、その時間に併せて柔軟に仕事を調整できるのもありがたいです。まさに、今の自分の生活にあった働き方ができていると思います。

今が狙い目⁉︎ビジネスチャンスは大いにあり

私のように副業として内装工事を受注するという業態は、これからはアリかもしれません。納期に余裕がある空き家の原状回復などに業務を絞るとか、月に1回~半年に1回など、無理がないスパンで仕事を受注するなど、要はやり方次第。ご自宅や不動産をお持ちの方は、空室期間や収益に影響が出ない範囲で、ご自身のペースでリフォームをすることも出来ますし、売上には繋がらずとも、発生すべき修繕原価を抑えられ、結果的に利益捻出にも繋げられますよね。

建築業界は昔からあまり変わらず閉鎖的だと付き合いのある職人さんからも聞きます。まだまだ未開拓なところが多いです。内装工事をしている店舗の、隣の店舗のオーナーさんが、うちもやってよ!なんて声がけがあるレベルで、その辺にニーズやチャンスは転がっている、というのが実際に自分で業界に飛び込んでみて感じた率直な印象です。今後はネットやデジタルの力でどうやってチャンスを拾っていくか、だと思います。

古民家リノベで、価値ある空間づくりをめざしたい

ゆくゆくは音響などを含めた総合的な空間デザインを手がけてみたいと思っていますが、特に注目しているのが、古民家や耐用年数を大幅に超過した建物のリノベーションです。
昨今国家的な問題になっている空き家の解消にもなりますし、テクノロジーや芸術的な要素など多種多様なもの等、異質なもの同士を受け入れられる器(うつわ)であり、融合することで“化ける”面白さがあると思っています。現代の住宅にはない、昔の空間が持つ良さを生かしつつ、内装や音楽をプロデュースしてみたいですね。

住む人や訪れる人にとって、価値ある空間をつくりたいというのが、今の一番の夢です!

 

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