リノベーターズインタビュー

とりいの店

鳥居 泰治さん(50代)

和歌山県田辺市役所にて10年程財政、最後の10年は観光に携わる。 2016年3月に退職後、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩いた。 (キリスト教三大巡礼地のうちのひとつ。徒歩で全行程を歩くには約一か月を要する) 2016年12月17日に熊野本宮大社敷地内に「とりいの店」をオープン。 熊野古道巡礼者のサポートサービスショップとして、 オリジナルグッズの販売と、荷物の搬送サービスを展開中。

若いうちから、55歳で退職することを決意

鳥居さんは、現在58歳。 学校を出て、役所に勤めました。 和歌山県の熊野の役場で、10年ほど財政、最後の10年は観光に携わったのです。 熊野の観光地といえば、熊野古道。 熊野古道は世界遺産になっていますが、数百キロに及ぶ「道」の世界遺産がもうひとつ、 スペインの「サンティアゴ巡礼の道」です。 このふたつの道は、1998年に姉妹道になっています。 そして、3年前に、サンティアゴ・コンスポステーラ市と和歌山県田辺市との間に 観光協定が結ばれて、「共通巡礼」が始まりました。 これも鳥居さんが携わった最後の大仕事です。 結婚当時から、奥様に、「55歳で役所を辞めて何かやる!」と決意を語っていたようです。 その考えは、周囲の諸先輩方を見ていて、だんだんと固まってきたようです。 1.60歳になってからでは、何かを始めるには遅い。  2.定年後、悠々自適であっても、イキイキしている人は少ない。  3.定年を迎える3月31日と4月1日の差があまりに怖い(肩書きや行き場所がなくなること) で、55歳で退職を申し出るのですが、ちょうど大きな行事が控えており上司から 説得されたそうです。それが一区切りして、昨年の3月末で退職。  それから海外へ一カ月。 実際にサンティアゴまで行って、800キロの道を歩いたのです。 こちらの本にも鳥居さんが登場します。(編著:高森玲子) 以前から 「歩いて体験しないと人に勧めることもできないから絶対に歩かねば!」 と思っていたそうです。

熊野を世界的観光地に

私(笹川)は熊野にはよく行ってるほうですが、最近すごくびっくりしたのは、欧米人の観光客の多いこと! 旅館の露天風呂や食事会場、熊野古道、ひっそりとした山道にも! いたるところに欧米の方々が!!   欧米系の熊野での観光客比率は、日本全国の世界遺産の観光地の中でも群を抜いているとのこと。   それは、10年以上も前から、海外に行き、プロモーション活動を地道に展開し、 地元の人も受け入れに頑張ってきた成果。   鳥居さんはその実績やノウハウを買われて、各地へ講演に呼ばれては、お話してきました。 

肩書を下ろし、地域の人々に溶け込む努力を 

役所に在職中、最後のほうは偉くなっていらして、決裁する立場。 仕事の面においては厳しく接することも多々あったようです。 でも、退職後、今まで仕事でお付き合いのあった地元の関係者へ  「これからは新人としてなんでもしますから、よろしくお願いいたします」と 頭を下げて挨拶まわりをされたそうです。 これは、普通の人にはできません。 「肩書き」を捨てられないのが、定年後の不幸の一つです。 とはいえ、頭を下げるだけでは、まだ信頼を勝ちとれません。 口ではいいこと言うけど、と思われがちです。 鳥居さんは実際に腰低く、いろいろお手伝いするようになって、周囲から 改めて信頼され、応援されるようになったのです。 

観光サービス業を始動

去年の年末、熊野本宮大社敷地内に、「とりいの店」をオープン。 熊野古道巡礼者のサポートサービスショップとして、 オリジナルグッズの販売と、荷物の搬送サービスを展開。 写真は鳥居さんのお店にて。 熊野古道を歩く時の大きな荷物の預かり、搬送、宿から宿へ運ぶサービスです。    なんと、来年の夏まで予約が入っているそうです。 いいところに目を付けられましたね。  役所で最後の10年間、観光窓口を担当されたので、いろいろなアイディアがでてきたのでしょう。 http://toriinomise.com/index.html 

最後に

鳥居さんのスタートが明るく希望に満ちていることの一つは、 退職後、お世話になったところへ頭を下げて回ったことが大きいと私は思います。 熊野は、欧米人の観光客比率が高く、国内トップクラス。 熊野観光インバウンドの牽引者としてますますのご活躍を祈念しております! みなさん、熊野に行かれることがあったら、「とりいの店」ぜひお立ち寄りください。 熊野本宮大社の1F、美味しいコーヒーのカフェの向かいです。 熊野の見所や観光スポットなど教えてもらえます。 笹川から聞いたと言って、よろしくお伝えください!!